当院では、身近な症状や泌尿器科に関する疑問を院長が分かりやすく解説するニュースレター「先生、これって泌尿器科ですか?」を、月1回発行しています。
毎月テーマを決めて、皆さまの気になる症状や疑問についてご紹介します。
今月は、シリーズ第2回として
『尿の勢いが弱くなりました。放っておいて大丈夫?』
というご相談について解説します。
患者さんからのご相談
最近、尿の勢いが以前より弱くなった気がします。時間もかかるようになりました。
他に特に症状はないのですが、このまま様子をみても大丈夫ですか?
院長の解説
「尿の勢いが弱い=前立腺肥大症」とは限りません
男性では、前立腺が大きくなって尿の通り道が狭くなる前立腺肥大症が有名です。
ただ、尿の勢いが弱くなる原因はそれだけではありません。
大きく分けると、
①尿の通り道が狭くなっている場合
②膀胱が尿を押し出す力が弱くなっている場合
があります。尿の勢いが弱い場合、このどちらかまたは両方の可能性があります。
このようなことはありませんか?
□ 尿が出始めるまでに時間がかかる
□ 尿が途中で途切れることがある
□ お腹に力を入れないと尿が出にくい
□ 夜中に何度もトイレに起きる
□ 尿をしたあとも残っている感じがする
□ 股のあたりに何か下がってくる感じがある
女性でも尿が出にくくなることがあります
「尿の勢いが弱い」と聞くと、男性の病気と思われがちです。しかし女性でも、膀胱や子宮などが下がってくる骨盤臓器脱や、膀胱の押し出す力が低下する低活動膀胱によって、尿が出にくくなったり、残った感じがしたりすることがあります。
女性でも、骨盤臓器脱が原因で尿が出にくくなることがあります。
「何か下がる感じ」「股の違和感」があるときもご相談ください。
当院では“出方”と“残り方”を確認します
当院では、尿の勢いや排尿にかかる時間を調べたり、排尿後に膀胱の中へ尿が残っていないか(残尿)を確認したりします。こうした情報を組み合わせて、今どのような状況にあるのかを考えていきます。
尿の勢いが少し弱くなっただけで、必ず治療が必要というわけではありません。
一方で、残尿が多い場合や、日常生活に支障が出ている場合には、治療を考えたほうがよいこともあります。
尿の勢いの低下は、男性でも女性でもみられる症状です。
「年齢のせい」と決めつけず、原因を確認することが大切です。
